あの夏『すいか』に救われた。伝説のドラマ『すいか』第1話のわたくし的名言集

すいか

今から13年前の2003年。当時ちょうど20歳だったわたくしは、あるドラマを頼りに、そのドラマのために生きながらえていました。

そのドラマとは、知る人ぞ知る日本テレビで制作された『すいか』というドラマ。

低視聴率(当時ドラマで20%越えはよくある時代だったのに、確か平均8%くらい)だったにも関わらず、その作品の素晴らしさに今でも語り継がれている伝説的なドラマなのです。

わたくしは、本当に誇張でもなんでもなく、ただただこのドラマを心の支えとして生きていました。土曜の夜を待ち焦がれ、その後の一週間は録画のビデオを何度と見てなんとか生きていたようなものでした。

この『すいか』というドラマに、明日を生きる希望や命をもらっていました。一番辛かった時期、このドラマにどれほど助けられ、勇気付けられたことでしょう。

その後もDVDを購入し、何か壁にぶつかったときや生命力が萎れているな、と思ったらこの『すいか』を見直してきました。そして、その時々に新鮮な気持ちにさせてくれるドラマになりました。

心の処方箋のような、わたくしにとっては宝物のようなドラマなのです。

最近また見返して、やっぱりものすごく良かった、10年以上も前なのに全然古くない、むしろどんどん味わい深くなってくるこのドラマをみんなに知ってもらいたい!

というわけで、わし的『すいか』の名場面をご紹介したいと思います。前置き長くてすいません、熱くなっちゃうんですよねぇ、暑苦しい。

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ドラマ『すいか』の登場人物とあらすじのおさらい

このドラマ『すいか』は、『Q10』『富士ファミリー』などの脚本を手がけた木皿泉先生の初めての連続ドラマです。

木皿泉さんのドラマってわし大っ好きなのですが、やはりその中でも『すいか』は格別に好き。あ、『昨夜のカレー、明日のパン』も同じくらい好き!!

役者さんももうこれ以上ないってくらいわしのどつぼにハマるキャスティングです。プロデューサーさんの趣味が素晴らしい。

まず主役の小林聡美さん、じつはこの『すいか』で初の連ドラ主演だったとか。小林聡美さんはわしの一番好きな女優さんです。金八先生(再放送)からずっと追いかけて見てます、飾らない人柄、繊細な表情に明るい笑顔…最高です。こんな大人になりたいっ。

脇役も本当に素晴らしく、ともさかりえさん、浅丘ルリ子さん、市川実日子さん、まだ髪の毛があった高橋克実さんにまだ役者枠だった金子貴俊さん、妖怪みたいな白石加代子さん、キョンキョンも若々しくてステキだったし、もたいさんも出てるし、片桐はいりさんに光石研さんもこっそり出演しているんです…なにこの神キャスティング!!

全っ然話が進まないのが心苦しいのですが、ここで登場人物と配役をご紹介します。

早川基子(小林聡美)

34歳の信用金庫に務めているOL。未婚。両親と同居していたが、親のレールに乗って淡々と34年間生きてきたことに息苦しさを感じていたとき、勢いで家を出て「ハピネス三茶」という下宿に住み始める。真面目で心優しい平凡な会社員。

亀山絆(ともさかりえ)

27歳のエロ漫画家。自由に奔放に生きているようだが、双子の姉の死や実の父との確執を抱えながらエロ漫画家として生計を立てている。ハピネス三茶に下宿しているが、家賃、食費は頻繁に滞納している。「つなよし」という猫を飼っている。

芝本ゆか(市川実日子)

20歳の大学生。スリランカに旅立ってしまった父親に押しつけられて、「ハピネス三茶」の家主、食事を担当している。幼少の頃に母親が家を出て行ってしまった過去を持つ。嫌々ながらも料理の腕は確かみたい(いつもごはんが美味しそう)。

﨑谷夏子(浅丘ルリ子)

年齢不詳の大学教授。学生の頃から「ハピネス三茶」に住み続けている、下宿の生き字引のような存在。教授の言葉はストレートで厳しいことも多いけれど、本当に人のためを思って言う言葉は温かい。本を読み出すと床に大穴を明けてもおかまいなしな研究者。

馬場万里子(小泉今日子)

基子の唯一の同期。勤め先の信用金庫から3億円を横領して逃亡生活に。どこか遠くの地方では「早川基子」という名前で働いていた。基子の住所を握りしめて逃げている。

間々田伝(高橋克実)

45歳の出版社編集長。﨑谷教授の教え子で、ゆかの父親の同級生。教授を慕ってハピネス三茶に入り浸っている。いつもみんなに話を聞いてもらえない。

野口響一(金子貴俊)

22歳のフリーター。間々田の娘の元彼。絆のことが好きになる。なよなよした青年だけど、心は優しい。

バー「泥舟」ママ(もたいまさこ)

ハピネス三茶や間々田いきつけのバーのママ。「もう帰ってちょうだい」とママに言われたら、いやおうなしに帰らなければならない。

早川梅子(白石加代子)

57歳(うそぉ!?)の主婦。いまだに子離れ出来ていない、口うるさい典型的な暇をもてあました母親。だけどどこか憎めない。馬場ちゃんの写真を1万円で売ってしまったことも。

あらすじはですね、まず基子の同僚、馬場ちゃんの3億円横領事件から始まります。

その日のお昼を一緒に食べた馬場ちゃんが、実は会社のお金を使い込んでいた容疑者だったことに衝撃を受ける基子。

自分の平々凡々として日常の裏でとんでもないことが起きていた、しかもいつも身近にいた同僚がやらかしたということで、上司から尋問されるは妙に母ははしゃいでいるわで、心底自分の置かれた境遇が嫌になるんですね。

そんなとき、ハピネス三茶のチラシや教授のスリッパ(間違えてスリッパを履いて出かけていた教授に、泣いていた基子はハンカチを貸してもらいます)を見て、興味本位でハピネス三茶を訪ねていき、そこから下宿の人々との生活が始まっていく、というお話です。

「色々いて、いいんです」『すいか』第1話名言集

ひまわり

まず、一番思い出に残っているというか忘れられないセリフが教授の言葉です。

基子(小林聡美)が初めてハピネス三茶を訪れた夜、みんなでバー「泥舟」に行って飲んでいる一場面のこと。

そこでゆかが、「絆さんは所持金が83円しかないですからね」という話をして基子が信じられない、という表情をするのですが、そこからの教授と基子のやりとりがステキです。

教授 「あなた、この世にそんな女がいるなんて信じられないと思いましたね」

基子 「はい」

教授 「それは違います。色々いていいんです」

基子 「あたしみたいなもんも、いていいんですかね」

教授 「いてよし」

この教授の「いてよし」というセリフに、当時友だちもいない、お金もない、ニートに毛が生えたようなもんだったわしは救われる思いがしました。

まるで、こんなわしでも「いてよし」と教授に力強く言われたような気がして、ずっと言って欲しかった言葉をもらったような気がして、そんなシーンじゃないのに涙が出て止まらなかったです。

それと、最近見返してふっと心が温かくなったというか微笑ましいなぁ、と感じたのは、馬場ちゃんが捕まったニュースを見たお母さんが基子に電話をするシーン。テレビが銀行に来るかもしれないから、ちゃんとした服を着て行きなさい、と妙にワクワクした様子でかけてきます。

母 「なんか新しい服買ってきなさいよ、お金出してあげるから、若く見えそうなの」

この、お金出してあげるから、というところになんか笑ってしまったんですよね。基子さんもお母さんも、全然親離れ子離れ出来てないんだなぁってことがよく分かります。

そしてそれ以上にお母さんは基子さんが可愛くて仕方ないんだな、と、子どもが産まれて初めて分かりました。30越えた仕事もある娘に、お金出してあげるからもないだろ!て思うんですけど、お母さんにとってはいくつになっても娘は娘なんだなぁ。

そして基子さんと絆さんの再会シーンもとってもいいんです。

実は基子さんと絆さん(と双子のお姉さん)は、20年前ハピネス三茶の前で出会っているんです。その思い出が蘇り、基子さんは双子の片割れが亡くなったことを知りました。

「私が死んだほうがよかった」という絆さんに、基子さんは「そんなこと言うもんじゃありません」と本気で怒ります。

基子 「誰が死んだって同じくらい悲しいに決まっているでしょ」

このセリフも、若かりしころのわしにジーンと来たんですよねぇ。わしはどちらかというと絆さんの気持ちが分かるというか、どこかで「わしなんか…」と拗ねていたような子どもだったので、この基子さんのストレートな言葉は胸に浸みました。

そして、おんなじシーンなんですけど、今回ぐっときたのは基子さんの

基子 「こんなにカレーの匂いしてるのに、そうですか、もういないんですか」

というセリフです。この伏線として、一番初めのシーンで子どものころの絆さんに「この匂いも、なくなっちゃうのかなぁ…」というセリフがあるのですが、それの対話ですよね。

カレーの匂いは同じなのに、同じだからこそあのころいた人の不在を強く感じるような、なんとも切なくてけだるい、とってもいいシーンです。

あと、馬場ちゃんが捨てていった大トロが夕食に出て、みんながその大トロを怪しむのですが、基子さんの友だちだったと聞いたときの絆さんのセリフがすごいいい。

絆 「だって…この人の友だちからもらったんでしょ?だったら大丈夫だよ」

そのあとゆかちゃんも「それもそうっすね」と食べ始めるのもなんだかかわいい。

普通の人は馬場ちゃんのことを犯罪者として見聞きしている状態。なのにここの下宿の人は「基子さんの友だち」として馬場ちゃんを見てくれていて、当たり前のような信頼関係がすでにあるんですよね、それが基子さんも嬉しかったんだと思います。

基子 「これが、大トロの味なんですね」

となんだか男前に大トロの感想を言った基子さんも、たぶん馬場ちゃんは何があっても友だちだよって気持ちだったのかもしれません。

そして最後はゆか(市川実日子)ちゃんのセリフ、というかお父さんへのメールの文章。

ゆか 「正直言うと、みんなの食事を作るのはとてもめんどうです。毎日、今日こそやめてしまおうと思っているのですが、なぜか次の日になると、ついつい作ってしまうのです。お父さん、これって何なんでしょうか」

主婦になると、このセリフがものすごく重みをもって感じられるんですよ。ああ、ゆかちゃんわかるわかる!!ほんと何なんだろうって(笑)

ゆかちゃんは下宿のまかないも作っているので(それも朝晩)、この「ごはんを作らねば!!」というプレッシャーって想像以上にきついです、大変です。

でも、作ってしまうのはやはりそこにどんな種類か分かりませんが愛情があるからなのではないでしょうか。ゆかちゃんの場合はそこに「お金」ももちろんからんできますが。でも、やはりハピネス三茶への、そして下宿人への愛なんでしょうね。

とにかくみんなでごはんを食べているシーンが本当に美味しそうで幸せそうで…わしもゆかちゃんにごはんを作ってもらいたいです。

まだまだあげたらきりがないのでこのへんにしておきますが、大好きなドラマを見てブログを書くってこんな幸せなことないな!!うん、最高だ!!

では次回は普及の名作『すいか』第2話の名言集に行ってみよう~。夜更かし上等っ。

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コメント

  1. 自由浮遊社 より:

    初めまして。自由浮遊社と申します。「亀山絆」でググッてこのブログに辿り着きました。『すいか』は、放映時には見ていなくて、実は見たのはごく最近のことです。『シン・ゴジラ』に出ていた、市川実日子さんがツイッター上でも大人気で、その時誰かが「市川実日子と言えば『すいか』というドラマも面白い」とツィートしていて、それで気になってレンタルしてみてみたら第1話の冒頭のシーンでもうハマりました。
    鑑賞は一日一話と決めて、10日間で見たのですが、その感覚がまだ残っていて、「あまロス(古いな)」ならぬ「すいかロス」状態です。DVDボックスを買うか、真剣に迷っています(貧乏なので)。
    ぜひ名言集の第5話以降も書いて欲しいところです、とリクエストしておきます。
    それでは。

    • amamura より:

      自由浮遊社さま、コメントありがとうございます!庵野さんの『シン・ゴジラ』からですか!そちらは見逃しておりますが、『すいか』にたどり着かれて嬉しい限りです。ちなみにわたくしはすいかロスにもあまロスにもなりました。

      ぜひ、ぜひにDVDを購入されることをおすすめいたします!10年経っても色あせない、むしろ年を取るごとに深みを増していく『すいか』です。きっと自由浮遊社さまの一生のバイブルとなることをお約束いたします。わたくしも何度も何度も見返して、泣いて笑って、いまでも心が揺り動かされることが多いドラマです。

      あと、市川実日子さんはわたくしも大好きな女優さんです。市川実日子さんでおすすめなのが、荻上直子監督の『めがね』という映画です。(ご存じでしたらごめんなさい)こちらも全編に渡って『すいか』とは違ったゆるさ、心地よさを感じられてわたくしは大好きです。メガネ姿の市川さんもとてもかわいらしい!

      名言集、早めに10話までまとめたいと思います。リクエストすごく嬉しかったです。これからもぼちぼち更新していきますのでよろしくお願いします。

      • 自由浮遊社 より:

        さっそくのお返事ありがとうございます。映画『めがね』は、こちらにも小林聡美さんやもたいまさこさんが出ていられるのですね。気になる面子です。
        DVDボックスの件は、前向きに善処する(^^;として、まずはお手軽なシナリオ集から手に入れたいと思います。脚本家の木皿泉さんにも興味が湧いているので。
        『シン・ゴジラ』は見ておられないとのことですが、市川実日子さん好きなら、それだけでも観る価値はありますよ。その筋では(どの筋だ)、『シン・ゴジラ』の真のヒロインは、石原さとみではなく市川実日子だ、という意見も出ているくらいですから。
        それではまた更新をお待ちしています。

        • amamura より:

          自由浮遊社さま、お返事ありがとうございます!遅くなってしまい申しわけありませんでした。
          木皿泉さんはわたくしの一番好きな脚本家さんです。シナリオ集には10年後の『すいか』が特別に描かれているそうです!(わたくしもまだ未読なのです…)
          本編でカットされたところもそのまま載っているみたいで、シナリオ集も手に入れなくては!と思っています。
          あと、木皿泉さんでおすすめなのは『昨夜のカレー、明日のパン』というドラマも素晴らしいですよ。小説も出ているのでそちらもおすすめです。

          『シン・ゴジラ』、市川実日子さんがそんな評判になっていたとは!!ちょうど息子がゴジラにはまっているのでぜひチェックしてみます。
          こちらのブログはただいま週末のみの更新になっていますが、ぼつぼつやっていきますのでまた遊びにいらしてくださいね。

  2. 自由浮遊社 より:

    amamura様。こちらもお返事が遅れてしまい申し訳ないです。その後、『すいか』のシナリオ集と『昨夜のカレー、明日のパン』の原作本は手に入れました!『すいか』シナリオ集は10年後を描いた「おまけ」が気になるところですが、とりあえず他の本を読んでいるので、それが終わってから読もうと思います。楽しみです。
    『昨夜のカレー、明日のパン』はドラマの方を観たかったのですが、近所のTSUTAYAでは取扱がありませんでしたorz。とりあえず原作を読んでからです。
    お勧めされた映画『めがね』は今日観ました。最初のうちはなんかその世界に入り込めないような気がしましたが、後半はなかなか面白かったです。これも繰り返してみたい映画ですね。
    『シン・ゴジラ』、もうご覧になったでしょうか?息子さんがゴジラにはまっておられるとのことですが、あまり子供向けの映画ではありません。むしろ大人向けの怪獣映画、と言うよりはディザスター映画ですねあれは。個人的には、1956年のオリジナルゴジラに負けない傑作だと思っています。
    また更新を楽しみにしています。それでは。

    • amamura より:

      自由浮遊社さま、さっそく『めがね』を視聴いただきありがとうございます!
      『めがね』はわたくしも始めは眠くて仕方がない映画だったのですが(笑)、あの尋常じゃない心地よさ、気持ちの良い音楽を聞いたような陶酔感が大好きなんです。繰り返して見ると味が出てきていいものです。
      『昨夜のカレー、明日のパン』の小説もいいですよね!わたくしもドラマでハマリ、小説も爽やかに泣きました。
      ゴジラ、まだなんです、ごめんなさい…!お金がもったいなくてあまり映画館に行かないので、新作で出たらレンタルしようと思います!楽しみです。

  3. 自由浮遊社 より:

    amamura様
    間が空いてしまってスイマセン。月も変わってしまいましたね(^^;

    その間、何をしていたかと言えば…
    ・その1『めがね』のDVDを買ってしまった。本編はレンタルで見たのですが、特典ディスク2枚とこの手の映画は繰り返してみたくなるだろうと言うことと、何より中古で安く売っていたというのがその理由です。ちなみに、『めがね』の音楽を担当しておられる金子隆博さんは、『すいか』の音楽も手がけておられるのですね。不思議な繋がりを感じます。
    ・その2『めがね』の監督が作った『かもめ食堂』のDVDも買ってしまった。理由は『めがね』と同様です。ちなみにまだ見れていません。
    ・その3『すいか』のシナリオ集を読了。そっけない活字が並んでいるだけなのに、ドラマ見て泣いた箇所で同じように泣いてしまいました。ちなみにハピネス三茶の10年後を書いた「おまけ」はう〜んそういう展開で来たかという感じです。この「おまけ」だけ、単発でドラマ化してくれないものかと思います。10年後、という設定からは3年遅れてしまいましたが…。
    ・その4『すいか』のDVDは、クレカ分割払いに対応しているWEB通販サイトを見つけましたので、10回分割(^^;くらいでまたそのうち買おうと思います。あとはサントラですが、これは既に廃盤でやはり人気があるらしく、amazonのマーケットプレイスでは5999円!と言う値がついています。入手するのは難しそうです。せめて、大塚愛が歌う主題歌の入ってるベスト盤でも買おうかと思っています(こちらは同じamazonのマケプレで1円!で売ってます。
    ・おまけ 環境省が出している広報誌『エコジン』最新号に市川実日子さんのインタビューが載っています。WEB上で、PDFで読めますので、一読の価値はあるかと思います。エコジンのサイト→http://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/index.html

    長くなりましたのでこの辺で。それでは。

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