「人間には、年齢なんてないのよ」エディプス期を越える一歩。ドラマ『すいか』第2話名言集

すいか

横領で逃亡中の馬場ちゃん(小泉今日子)の写真を、基子さんのお母さん(白石加代子)は勝手に一万円でテレビ局に売ってしまいました。そのことに嫌気がさして、とうとう基子さん(小林聡美)は家を出て「ハピネス三茶」にやってきます。

第2話は、「うち出てみようかなぁ」から「もうこんなうち出て行ってやる!!」と物語が動き出した回。一人で生きてみようかな、と思い始めた基子さんへの教授(浅丘ルリ子)の言葉が胸に染みました。

そして、間々田さん(高橋克実)や響一くん(金子貴俊)の初登場の回でもあります。高橋克実さん…ふっさふさ(笑)

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自分がサイテ-だって泣くのは、いいことだよ

お花

お母さんが友だちの馬場ちゃんの写真を売ったことがきっかけで家出をした基子さん。じつは、基子さんにも週刊誌の記者が写真を「1枚5万円で」売って欲しいと持ちかけていたのです。

にも関わらずにあっさり1万円で売ってしまって、「4万円も損した!!」と基子さんは腹を立てていたのです。友情とかそんなことじゃなく、単純にお金のことで怒ったんですね。

その、自分の情けなさなのか恥ずかしさからなのか、

「あたしはみんなから軽蔑されても文句の言えない女なんです」

と泣き出してしまった基子さんに、絆さん(ともさかりえ)がかけた言葉がとても優しくて思いやりがあります。

「あたしらえらいよ、だって、自分がサイテ-だって知ってるんだもん。それってメチャメチャラッキーだよ?また同じこと繰り返すかも知れないけどさ、自分がサイテ-だって泣くのは、いいことだよ。」

自分の弱さを知るって本当に情けなくて、出来たら見たくないですよね。でも、そんなところに正面から向き合って涙まで流してしまう基子さんの純粋さに、もしかしたら絆さんは心打たれていたのかも知れません。

そしてその写真がニュースで流れたのを見た馬場ちゃんの一言…。

「早川よぉ…、もうちょっとマシなのあったろが…」(泣)

この写真、基子さんはかわいらしい笑顔で映っているのですが、一方の馬場ちゃんはなぜか指で鼻を上に向けていて豚みたい…(笑)お母さん、基子さんがかわいく映っているのを選んだんだろうなぁ、細かい。

「キモい~、キモい~」By高橋克実

個人的にものすごく好きなシーン。高橋克実さん扮する間々田さんと、間々田さんの娘にフラれてしまった響一くんが、娘さんの誕生日のケーキをハピネス三茶に持ってくる、という場面です。

「うちのがバカで…。キモい~、キモい~!このケーキにぃ、なんかぁ、入れてんじゃねーのぉって…」

この娘さんのマネをする高橋克実さんがものすごく気持ち悪くて面白くて、いっつも凝視してしまいます。

この、語尾が上がるしゃべり方、コギャルって言うんですかね?ところでいまコギャルっているのかしら?私語?

とにかくそのコギャル風な感じが良く出ていて、「ああ、娘さんそんななのね…」となんだか親父のとほほ加減がものすごくにじみ出ているんです。高橋克実さんに「とほほ」ってよく似合う(笑)

「うちのがバカで…」って言いながら、ももちゃん(娘)のことを溺愛している間々田さん。さながら当時の「ちょっと立場が弱いマイホームパパ」を代表していましたね。髪の毛がたわしのようだったよ。

あたし、こういう気持ちのこもったもの、ちょっと苦手です

基子さんのお母さんが、GPS(!)で「ハピネス三茶」に乗り込んできたときのこと。

「あんたのせいでうちは不幸のどん底よ」

「こんな下宿屋なかったらよかったのに!!」

「とにかくあたしは反対ですからね」

なんて基子さんに食ってかかっていたお母さんですが、帰り際、ゆかちゃん(市川実日子)に

「なんにも出来ない子ですが、基子のこと、くれぐれもよろしくおねがいします」

と頭を下げて、ゆかちゃんの手に1万円札を握らせて帰って行きます。

その1万円札を基子さんに返しながらのゆかちゃんの言葉。

「基子をお願いしますって、何回も頭を下げて、これ置いていきました。あの…わたし、小さい頃から母親ってもんに縁がないからよくわかんないんですけど、これって、いいお母さんってことじゃないですかね?

あたし、こういう気持ちのこもったもの、ちょっと苦手です」

ゆかちゃんのお母さんは、小さい頃に男の人と駆け落ちして家を出て行ってしまいました。それからというもの、家にいる人は「いつかいなくなるもの」と割り切って生きてきたんですね。

「家族」とかが一番遠いところにあるのがゆかちゃんなのかもしれません。

基子さんとお母さんのおせんべいの食べ方(くずが落ちないように吸いながら食べる)や、反対だと言いながらもどこまでも娘を心配している基子さんのお母さんを見て、ちょっと羨ましいような、でもしんどいような思いになったんじゃないでしょうか。

「ちょっと苦手です」と言ったゆかちゃんに、基子さんは温かくて疲れる場所にいる人に映ったのかも知れませんね。

あなたは今日、エディプス期を通過するための一歩を踏み始めました。

ケーキ

教授と基子さんの二人で、響一くんが持ってきてくれた大きなケーキを切り分けながらのシーン。教授の言葉は、当時もいまも、いつになっても響くものがあります。

その教授の言葉を聞いて、モヤモヤとしたものが晴れたかのような表情の小林聡美さんがとてもステキです。本当に基子さんが自分の中に入っていたんだろうなぁ。

基子 「あたし…34歳までにしておかなければならないこと、何一つやってこなかったような気がします」

教授 「人間には、年齢なんてないのよ。エディプス期を通過した者と、そうでない者がいるだけなんです」

基子 「は?」

教授 「あなたは今日、エディプス期を通過するための一歩を踏み出しました。違いますか?」

基子 「それって…親離れってことですか?」

教授 「とりあえず、おめでとう」

エディプス期ってなんだか難しい言葉が出てきましたが、わたくしが思うには、「母と子だけの世界」から他者(父親的なもの)が入ってくる、母と子が同化した状況から、それぞれ別の人格、別の人生を歩み出すとき、と理解しています。

基子さんとお母さんなんてまさに同化していますよね。基子さんのキャラクターからはちょっと感じないかもしれませんが、完全な共依存だと思います。ま、もっとさらっとしたものですが。親の敷かれたレールを淡々と歩んできた女性が基子さんです。

その基子さんが、初めて親に反抗してまでしたい、行きたいと思ったのが「ハピネス三茶」だったわけなんですね。

そして、生徒に厳しいことで有名な教授が基子さんに優しいのはなぜか。

それは基子さんが真摯に、自分の気持ちに正直に生きようともがいているからでしょう。必死に考えて悩んでいる人に、教授は優しいのです。

このシーンを見ると、わたくし自信はエディプス期を越えたのかどうなのか、いつも不安になりますが(笑)たぶん完全には越えられていないんだと思います。

そしていつでも、教授にけちょんけちょんに言われない人生を歩みたいものだと思うのです。

おまけ。絆さんが誕生日だと知り、響一くんが急いでケーキを買ってきたシーンでなんだかほろっとしてしまいました。

絆 「バカだよねぇ、うちに帰ったらあんたがくれた大きなケーキがあるじゃない」

響一 「それは人のだから。誕生日に人のケーキ食べるのイヤかなって」

こういう優しさがある人、とってもいいなぁ。響一くん、本当にいい人だ。あ、でもそれは相手が絆さんだったからか…そうかそうか…。

「好きになった人にとことん幸せになって欲しい」という響一くんの純粋さ、そして繊細さ。わしも見習おう、うん。

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